• Portfolio #
    Fukuen’s Glass arts

    吹きガラス作家・福圓富信さんの作品は、私に様々な景色を想像させる。花曇りの桜、背伸びするように咲き乱れるコスモス、縦横無尽に泳ぎ回る魚たち…。
    20年以上も前に亡くなり会ったことのない作家だ。残されたガラス作品にはタイトルも説明文もない。そのため、彼が何を思い何を考え作品を作ったか、正確なことは私には何一つわからない。
    しかし、想像した景色を探し歩きそこへガラスを置いてみると、まるでガラスが周囲の自然に溶け込み生きているように見えた。それが面白くて、約10年間季節を追いかけて写真を撮った。
    命をかけて作品を作った富信さんと、残された作品をギャラリーで展示し続けた妻・葉さん。葉さんも他界した今、ギャラリーはなくなりガラスは人の目に留まる機会を失った。
    私は二人の想いを自分なりの形で受け継ぎ、写真を通してこのガラスの魅力を伝えたい。